【和太鼓】
昭和四十年代から五十年代にかけて、『静岡新聞』紙上に和太鼓の団体が様々な場面で技を披露したとの記事が目に付く。当時、この遠州地方では和太鼓の団体が生まれ、活動が盛んであったことがうかがわれる。『イベント・コンベンション開催支援マニュアル』(財団法人浜松コンベンションビューロー発行)平成五年度版の「アトラクション一覧表」(浜松地区・舘山寺地区・弁天島地区)の「和太鼓」の部を見ると、次の六つの団体名が挙げられている。
・浜松出世太鼓保存会(昭和四十四年設立、十一名)
・葵陣太鼓愛好会(昭和五十二年設立、二十二名)
・浜松護城太鼓(昭和五十五年設立、十四名)
・太鼓衆「無」(設立年時不明、三名)
・都田九重(ここのえ)太鼓愛好会(昭和五十六年設立、十一名)
・堀江陣太鼓保存会(設立年時不明、七名)
静岡新聞の記事などによって見ると、これらの和太鼓の団体は戦前にさかのぼるような歴史を持つものはなく、おおよそ昭和四十年代から五十年代にかけて生まれているようである。平成二十五年現在の状況はどうなっているのであろうか。都田九重太鼓愛好会初代会長の内沢繁によれば、前記六団体のうち今も続いているのは都田九重太鼓と浜松護城太鼓の二つのみとのことである。また、内沢によればその後新しく生まれた団体として、若宮太鼓(引佐町)、魁鼓(かいこ)(舞阪町、女性のみ)があるとのことである。