【浜松市文化協会】
財団法人浜松市文化協会(以下、文化協会)が設立されたのは、昭和六十一年二月二十一日のことである。文化協会では、平成八年二月『浜松市文化協会10年のあゆみ』(以下『10年のあゆみ』)という冊子を刊行しており、これによって設立の背景・いきさつ、また、活動内容を見てゆくことにしたい。
文化協会の設立は前述のように昭和六十一年のことであるが、それに先立って市議会、市民、産業、文化団体等の代表が集い準備会、発起人会が開かれたのは同年一月のことである。それから、わずか一カ月以内に法人認可を得ての設立で、まことに慌ただしい動きであった。『10年のあゆみ』には、設立に当たって作られた「趣意書」が掲載されているが、そこに「旺盛な市民文化活動のよりどころとして、また長期的な展望に立っての文化のまちづくりに寄与しようとするものであります。」とあって大仰な表現はなく地道で直実な姿勢が読み取れる。同協会では設立の直後から活発な活動が始まっており、次の十一の事業を行っている。
一.文化講演会 二.プロムナードコンサート 三.ガーデンコンサート 四.浜松音楽祭
五.芸術文化振興事業 六.芸術祭 七.児童音楽隊 八.地域音楽教室 九.浜松城薪能
十.文化活動の育成 十一.埋蔵文化財の発掘調査
また、文化協会は、次の九施設について浜松市から委託されて管理運営することとなった。
一.浜松市青年婦人会館 二.浜松科学館 三.犀ヶ崖資料館 四.浜松市天文台 五.浜松文芸館
六.浜松市文化コミュニティセンター(クリエート浜松) 七.視聴覚ライブラリー(運営)
八.浜松復興記念館 九.浜松市教育文化会館(はまホール)
文化協会の活動の一方で、アクトシティの完成を見越して、財団法人アクトシティ浜松運営財団が設立されたのは平成五年七月三十日である。以後、文化協会と同財団と、市の文化振興に関わる二つの組織が併存することとなったが、平成十七年に二つは事業統合されることとなり、この年の四月一日に財団法人浜松市文化振興財団が発足した。