浜松市が郵政省が提唱したテレトピア構想(未来型コミュニケーション都市)のモデル都市に指定されたのは平成四年九月三十日であった。市がこの構想で具体化を進めたのは行政、音楽文化、生涯学習、健康福祉など六つの部門であった。このテレトピア構想の第一弾として登場したのが浜松市役所に設けられた市民総合窓口センターで、平成五年一月四日にオープンした。これまで子供が生まれた場合、出生届は市役所一階の市民課に、児童手当の申請は二階の児童保育課で受け付けていた。また、市民が土地評価証明と戸籍謄本、バス券の交付を申請に行くと、市役所の一階、二階、三階のそれぞれの担当部署に行く必要があった。このようなことをなくし、「市民を歩かせない。待たせない」を基本に開設されたのが市民総合窓口センターであった。本庁だけでなく、市内二十七カ所の市民サービスセンターをオンラインやテレビ電話で結び、従来の市民課業務だけでなく、税務・年金・国保・福祉などの各課にまたがっていた証明書の発行や届出事務を一カ所で迅速処理する全国でも類を見ないシステムが構築された(表4―2参照)。これに伴い従来の印鑑登録証は市民カードに切り替わった。また、新しい電算システムの導入により各種証明発行の待ち時間は大幅に短縮し、市民を喜ばせた。
表4-2 市民総合窓口センターでできること
現在の窓口 | 内 容 | |
市民課 | 住民異動 | ○転入届・転居届・転出届などの受け付け ○住民票の写し・身分証明書・年金現況証明・ 住民票記載事項証明書などの発行 |
印鑑関係 | ○印鑑登録の受け付け ○印鑑登録証の再交付 ○印鑑登録証明書の発行 など | |
戸籍関係 | ○出生届・死亡届・婚姻届などの受け付け ○戸籍謄本・抄本、除籍謄本・抄本、 戸籍記載事項証明書などの発行 | |
○外国人登録○埋火葬許可○国民健康保険にかかる 住民異動などの手続き○転入学通知書の交付など | ||
年金課 | ●国民年金の加入と脱退、住所異動の手続き ●年金手帳の再交付 ●国民年金の保険料免除や還付の手続きなど | |
国民健康 保険課 | ●国民健康保険の加入と脱退 ●退職者医療の該当・非該当の手続き ●学生保険証・遠隔地保険証の交付 ●高額療養費・助産費・葬祭費などの申請の受け付け ●保険証の再交付など | |
障害福祉課 | ●重度心身障害者医療費助成の手続き | |
高齢者 福祉課 | ●老人医療受給者証の交付・再交付 ●転入・転出・死亡などによる老人医療費受給資格に関する手続き ●70歳以上の人のバス・タクシー券の交付など | |
児童保育課 | ●児童手当の受給開始・受給事由消滅の手続き ●児童手当支払い口座の変更の受け付けなど | |
市民税課 | ●市・県民税所得証明書 ●市・県民税課税証明書 ●納税証明書(一般・軽自動車継続検査用) ●車庫証明用土地証明書 ●土地・家屋(評価・課税)証明書 ●土地・家屋評価通知書 ●法人所在地証明書 ●土地沿革証明書 ●償却資産証明書などの発行 | |
交通安全 対策課 | ●市民交通傷害保険への加入手続き |
注:「●」は新しくできるようになること。