北脇市長は就任と同時に二十一世紀の浜松市の都市ビジョンとして「技術と文化の世界都市・浜松」を掲げ、その実現のために次の三つの基本方針を決めた。
・公平公正で開かれた市政
・ソフト政策の重視
・市民に対するサービスとしての市政
【第四次浜松市総合計画】
これまで栗原市政で進めてきた都市基盤の整備を引き続き行いつつも、ソフト政策の重視を打ち出した。また、音楽のまちづくりも進め、「音楽のまち浜松」を世界に発信していきたいとした。北脇市政初年度の予算は栗原市政下で決まっていたが、北脇市政発足約半年後の平成十一年十一月二日に「技術と文化の世界都市・浜松」を政策目標とする第四次浜松市総合計画の第二次推進計画の策定会議を発足させた。会議は北脇市長を委員長に、市議会や多くの団体の委員など、総計五十五名によって構成され、市民からの提言も取り入れて研究・討議を重ねた。平成十三年二月に「浜松21まちづくりプラン(推進計画)」が出来上がった。これより前の平成十二年度の予算編成では「技術と文化の世界都市・浜松」実現に向けて北脇色の濃い予算となり、また、行政改革推進のために行政経営課を設けるなど市の組織を大幅に変え、四つの課では係を廃止し、グループ制を試行するといった取り組みを行うなど、市政が大きく変わった。そして、いよいよ平成十三年四月から浜松21まちづくりプランがスタートした。都市づくりの政策目標は先述のように「技術と文化の世界都市・浜松」、そして具体的には次のような視点を重視した。
・快適で暮らしやすいまち・浜松
・夢をはぐくむ元気なまち・浜松
・あたたかな交流のまち・浜松
このようなまちの実現に向け「創造」「躍進」「交流」「健康」「安心」の五つの部門で様々な事業を行うこととした。「創造」では文芸館分館(後の木下恵介記念館)や浜松こども館の整備、新水泳場の建設など、「躍進」ではスタートアップ資金や創業環境の整備など起業家・ベンチャー企業への支援など、「交流」では世界都市化ビジョンの推進、外国人市民会議の開催など国際交流の推進、循環まちバスの導入支援など多くの事業が行われることになった。