[行政経営計画による一層の行政改革]

858 ~ 859 / 1229ページ
 浜松市は平成八年二月に「浜松市行政改革大綱」を策定し、行政改革に努めてきたが、景気の低迷が続き、市の財政状況は厳しい状況下にあった。そこで、中長期的な財政を見通す中で、これまでの市政運営を抜本的に見直し、民間経営の観点に立った改革をすることが求められた。
 
【浜松市行政経営計画】
 平成十三年度から行う「浜松市行政経営計画」が策定されたのは平成十三年二月、そして同年四月からこれまでより一段と厳しい取り組みが行われるようになった。このうち、民営化・民間委託化の推進では市立保育園の一部民営化、びん(資源物)収集の委託化を平成十七年度までに、道路や清掃施設の維持管理業務の民間委託化、給食員のパート化が始まった。オートレース事業、水道事業、県西部浜松医療センター、浜名湖かんざんじ荘などの経営健全化、さらに外郭団体(土地開発公社、建設公社、フラワー・フルーツパーク公社、清掃公社)の経営健全化のために職員の削減や給与の適正化などが行われた。これらの中には後に民間委託になっていったものもある。事務事業の見直しではこれまで長年にわたって行われてきた事業の廃止や施設の廃止などが行われた。平成十四年度の廃止事業の例としては夏季巡回浜松ラジオ体操会開催事業、商業診断事業、都市景観顕彰事業など、また、駅前相談所は平成十三年度末で廃止となった。人件費の削減ではこれまで正規職員が行ってきた業務を非常勤職員が行うようにしたり、外郭団体や関係する財団への職員の派遣をとりやめるなど、様々な取り組みが行われた。市は民間の手法を数多く取り入れ、市民が納得できる行政改革を実施しようとしたが、教育の分野では小規模校の廃止や統合などで反対の声も上がり、前途多難を思わせた。