【彫刻の散歩道】
JR浜松駅前から北に伸びる板屋町通りは一般には広小路通りと呼ばれ、駅前の商店街として繁栄してきた。この沿道の商店でつくる広小路共栄会は美しい都市景観を育成し、街の活性化を図ろうと歩道に彫刻を設置する彫刻の散歩道づくりを始めた。彫刻の制作に当たったのは二紀会会員の水野欣三郎で、「春一番」や「ヴィーナスの誕生」など合計十基、総事業費は千五百万円、このうち三十%は市が商店街共同施設設置事業として助成した。彫刻は延長約二百メートルの通りの両側に五基ずつ設置され、一番の大作「ヴィーナスの誕生」(高さ百六十五センチ)は浜松名鉄ホテル脇の歩道に設置され、完成祝賀式が昭和六十三年四月十四日に行われた。この地区は駅周辺整備事業で浜松名鉄ホテル(開業は昭和六十三年四月三十日)や高層のオフィスビルが完成、駅ビルのメイワン(同年五月一日オープン)なども出来て、無電柱化やカラー舗装が進められることになったため、駅前商店街にふさわしい整備をと彫刻の散歩道をつくったのであった。