【モール街】
浜松市の中心商店街を活性化しようと様々な取り組みがなされたが、平成の時代に入って道路の整備(美)が各地で進んだ。モール街(全長約三百メートル)では平成元年に電話ケーブル、ガス、水道管などを地下に埋設し、翌年十二月八日にタイル舗装が完成した。グレーのタイルと御影石を基調とした舗装路には十メートル間隔で絵付きのタイルがはめ込まれ、指揮者やトランペット奏者などの人形も取り付けられ、楽しく買い物ができるような雰囲気になった。
【ゆりの木通り 電線地中化工事】
田町の国道一五二号線(旧国道一号線、東海道)沿いの商店街は昭和三十二年十一月一日に浜松ショッピングセンターとして防火帯の機能を兼ね合わせて華々しくオープンした。その後、昭和六十二年三月になってこの商店街は通りに植えられていたゆりの木にちなんでゆりの木通りとし、平成二年度には緑と水と光の街路を目指してゆりの木通りの田町の東側を四車線とし、無電柱化、アーケードの撤去、歩道のカラー舗装を行い、歩道に「水と緑と光のシンフォニー」など五点の石の彫刻を役置、その完成式典が平成三年三月三十一日に行われた。ゆりの木通りの西側でも電線地中化工事やアーケード工事が完成し、明るい商店街が出来たのは平成十三年であった。
【インターロッキングブロック舗装】
中央柳通りと千歳通りではコミュニティ道路として整備、特に中央柳通りの路面はインターロッキングブロック舗装(独特の形状に作られた舗装用のコンクリートブロックで路面を舗装すること、保水性や透水性があり、色彩も豊富)となり、美しくなった。南北の入り口にはシンボルモニュメントが、通りには照明灯と足元灯が数多く設置され、しゃれた車止めも出来た。千歳通りは和風イメージを基本にコンクリート擬石平板舗装に洗い出し平板をてん石風に配置したものとした。二つの通りの開通式は平成三年十二月八日に行われた。これに近い千歳中央通りと千歳南通りでも石の平板で舗装され、沿道の多くの街灯は色、形ともレトロ調のデザインとなり、景観を一新した。この完成を記念した式典が平成四年十二月十八日に行われた。
【有楽街】
有楽街は昭和五十九年にレンガ舗装を完成させ、各店舗もこれに合わせてリフレッシュし、活性化に取り組んだ。平成四年度からは無電柱化、多くの照明灯、レリーフ、時計灯、プランター設置などで、欧州風の商店街づくりを目指した。そしてこれらの事業の完成を記念して、平成六年四月には通りの名前をアルコモール有楽街と改称、新たに「花と音楽の有楽街」を目指した。
酉の市で有名な大安寺前の通りは名称をしにせ通り大安路とし、中心商業地活性化事業で石畳風の舗装となった。この通りには浜松の四季を描いた高さ六十センチのボラード(車止め)を設置し、夜になると内部から発光して絵が淡く輝くようになっていた。しにせ通り大安路の完成式は平成七年四月二日に行われた。
南北に延びる肴町通りでは電線を地下に埋め、石畳をイメージした天然石舗装を施し、歩道と車道を分けて買い物客が安全に通行できるようにした。古くからの乾物屋や食料品店の並ぶ老舗街の歴史と落ち着きを前面に出した通りとなった。肴町通りは景気の悪化や阪神大震災などにより二年遅れのリニューアルとなり、完工式典が行われたのは平成九年四月二十七日であった。
このように市は民間と一体となって中心商業地のにぎわい再生のために努力したが、郊外への大型店の進出や景気の低迷で中心商業地の商店は厳しい経営を強いられた。