[新しい教育の開始]

935 ~ 936 / 1229ページ
【生活科 家庭科の男子必修 ゆとり教育 総合的な学習の時間】
 平成元年三月に幼稚園の教育要領、小・中・高等学校の学習指導要領の全面的な改訂が行われた。今回は生涯学習の基盤を培うという観点に立ち、社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成を図ろうというものであった。大きく変わったことは小学校低学年の社会科と理科を廃止し、生活科を新設したことである。小学校に新しい教科が設けられるのは戦後初めて、これは児童の直接体験を基に自立への基礎を培うことを狙いとした。中学校では生徒の個性を伸ばす観点から選択教科の幅を拡大した。高校では社会科を再編成して地理歴史科と公民科を新設したことと、生徒の能力や適性、進路に合わせて多様な科目選択が出来るようにした。また、家庭科は男子も必修とした。小・中学校は平成元年度から移行措置、同四年度から小学校は全面実施となった。中・高等学校においては少し遅れて実施された。そして、平成十年十二月に幼稚園教育要領、小・中学校の学習指導要領、翌年に高校などの学習指導要領が改訂された。これは平成十四年から完全学校週五日制の下、ゆとりの中で特色ある教育を展開しようとするものであった。授業時数や教育内容を削減したため、学力が低下するのではないかという議論が起き大きな話題となった。国際化に対応して中・高では外国語を必修とし、情報化への対応として高校に情報科を新設し必修としたこと、小・中・高校に総合的な学習の時間を新設し、各校が創意あふれた教育活動を展開できるようにしたことなどである。平成十四年度における南部中学校の総合学習の大きなテーマは、一年は郷土、二年は福祉、三年は国際理解で、それぞれ学級や班で研究テーマを決めた。高砂小学校ではこの時間を地球科とし、国際理解教育で外国や日本の文化の学習や英会話を行った。遠州浜小学校ではこの時間をかがやき学習とし、農場での体験学習を行った。テーマは大きく分けて地域、福祉、環境、国際理解、仕事など、それぞれの学校の実態に合わせて学習に取り組んだ。時間的には八幡中学校の場合は金曜日の第五時限、帰りの会の後の六十五分間を充てていた。