[学校規模適正化への取り組み]

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 市内の小学校の児童数は昭和五十六年度の五万二千六人をピークに減少を続け、平成六年度には四万人を下回った。同じく中学校では昭和六十一年度の二万六千九百九十五人をピークに減少を続け、平成十一年度からは二万人を下回るようになった。児童・生徒数が極端に少なくなり、各学年一クラスになると、クラス替えが出来ないため友だちとの付き合いが狭くなり、序列が固定化され、お互いに切磋琢磨(せっさたくま)が行われなくなるなどの欠点が指摘され、また、運動会などの行事も盛り上がりに欠けることなども出てきた。
 
【学校規模適正化】
 逆に全校で二十五学級以上の大規模校も存在していた。このため、子供たちにより良い学習環境をつくろうとして、平成十三年六月二十日に浜松市教育環境懇話会に学校規模適正化専門部会が設置され、多くの関係者の協議により、平成十四年二月に学校規模適正化専門部会案がまとまった。これによると学校の適正規模としては、小学校は一学年二学級以上で四学級を超えない範囲、中学校は同じく四学級以上八学級を超えない範囲、幼稚園は一学級十人以上としている。五年後に過小規模校となるのが予想されるのは元城・南・佐藤・高砂・五島・花川(旧吉野)・都田・滝沢・南庄内・村櫛の十小学校と中部・八幡の二中学校、また、全校で二十五学級以上となる大規模校は白脇・蒲など九小学校、幼稚園で一学級十人未満となるのは五島・花川など四園であった。これを基に次のような案が提示され、新聞発表とともに『広報はままつ』に詳しく紹介された。
 
1.佐藤小学校        蒲小学校の一部を佐藤小学校の学区に変更、神立町は希望があれば佐藤小学校
               に通学できるようにする。
2.南小学校と高砂小学校   両校を統合する。
3.五島小学校        遠州浜小学校と統合する。
4.花川小学校        葵西小学校と統合する。
5.元城小学校        北小学校と統合する。
6.都田小学校と滝沢小学校  両校を統合する。
7.南庄内小学校と村櫛小学校 両校を統合する。
8.西都台小学校       分離し、新設校(大平台小)をつくる。
 
 これが発表されると該当する地区からは統合や学区変更に反対意見が続出、存続の要望書や陳情書が提出されるようになった。しかし、一部では前向きに検討するところも出てくるようになり、統合に向けてその準備をする学校も出てきた。このうち2・3・6・8は平成二十三年四月までに実行に移された。