【業者テストの廃止】
これまで市内の中学校では毎年十月、十二月、一月に三年生を対象に業者テスト(静岡県出版文化会と予備校によるテスト)を実施し、その成績と学校の成績を基に高校選択の資料として使用していた。業者テストのうち出版文化会のものは進学希望者のほぼ全員が参加するため、志望校別の得点分布表などが作られ、高校選択の有力な手段となっていた。平成五年二月に文部省はこの業者テストの学校での実施と利用を即時中止するよう各都道府県教委に通知した。進路指導は生徒の日頃の学業成績や活動を見て、その能力や適性、関心などを基に総合的に行われるべきものとしたのである。このため、市内の各中学校では平成五年度から戦後長く続いてきた業者テストを廃止した。また、中学校においては成績のみを基に生徒の適性や進路などを無視して生徒が希望する高校を受験させないような指導も禁止した。これらにより、平成五年度の高校受験では中学校の教師や生徒に多くの戸惑いが見られた。学校では普段の成績(調査書の内申点、中間・期末テストの成績)や特別活動、適性や将来の進路などを考慮して進路指導に当たることになったが、これまでのような詳細なデータがないため的確な指導が出来ないようになった。これに対して県内の多くの塾(予備校)は連携して統一模試を年に数回実施して指導に当たることになった。