托鉢

981 ~ 982 / 1229ページ
【大井際断管長】
 平成六年十月二十八日付記事では、全国的な臨済宗僧侶の組織「薪流会」が身近な社会貢献の場として浜松市内で交通遺児のために托鉢を行ったと報じた。今回中心になったのが方広寺大井際断管長である。
 托鉢は中村元著『佛教語大辞典』には「僧が鉢をもって、修行のために家々に物を乞うこと」であり、中国宋代から用いられた語とある。この托鉢僧が掲げた幟、「上求菩提(じょうぐぼだい)」「下化衆生(げげしゅじょう)」の意は「仰いではさとりを求め、伏しては世の人びとを救おうとする」(中村元著『佛教語大辞典』)もので、宗教家の出発点を掲げたものである。
 
【春風亭鯉昇】
 平成七年十月十九日付記事では、方広寺青年会が創立三十周年記念として、阪神大震災の被害者に贈るために大規模な托鉢を行ったことを報じた。同会会員と方広寺専門道場で修行中の僧等三十人が高町の奥山半僧坊浜松別院正福寺から浜松駅に向かって連鉢(托鉢僧が列を作りながら道行く人から喜捨を受けること)を行った。この托鉢には修行中の外国人雲水も参加していた。また、記念事業として作家藤本義一の講演と浜松西高・明治大学農学部出身の落語家春風亭(現、瀧川)鯉昇の落語上演が十月二十二日に市教育文化会館であった。
 
【軒鉢 連鉢】
 平成七年十二月八日付記事では、七日に浜松市仏教会が浜松市内で歳末助け合いの托鉢を行ったことを報じた。八日は釈迦が悟りを開いた日「成道会(じょうどうえ)」に因んだものである。托鉢は天林寺(曹洞宗・下池川町)から浜松駅方面に向かい、家々を廻って喜捨を仰ぐ軒鉢や通行人から喜捨を受ける連鉢を行った。