[蒲地区方広寺派寺院の行事今昔]

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【蒲二葉会】
 平成二十年度の方広寺派の広報誌には、蒲地区の八寺院(宝珠寺・上新屋(かみあらや)町、十輪寺・丸塚町、長昌寺・上西町、長久寺・西塚町、霊珠寺・将監(しょうげん)町、惣持院・上西町、円通寺・植松町、光襌寺・大蒲町)における日常活動の一斑が記載されている。なお、長泉寺(神立町)は無住寺院であり、円通寺の吉田広邦住職が兼務しているので八寺院という。この筆者は上新屋町の宝珠寺稲垣邦圓住職である。これによると、現在、蒲地区八寺院の住職が毎月第一日曜日、神立町の長泉寺に集合し、戦没戦災死者の慰霊供養を執行していることを述べている。このほか各寺院の行事のうちでも、筆者稲垣邦圓住職の宝珠寺では戦前以来の蒲二葉会日曜学校(大正三年創設)の伝統を引き継いで、地区の親子三代にわたる行事を継承していることを記している。この二葉会の思想的背景、活動状況、指導者(高村栄蔵・袴田五平・飯尾哲爾・平松實)、また、その研究者大野木吉兵衛については、『新編史料編三』 四宗教 史料4・『新編史料編四』 四宗教 史料19の解題・解説、『浜松市史』四を参照されたい。
 蒲二葉会日曜学校の歴史を汲んで、夏休み座禅会、地蔵盆供養の後の御齋(おとき)、これはもはや二十八年継承されているので、これに参加した子供が親になって、その子を連れて参加しているという生命の連続が顕現化していること、さらに、方広寺舎利殿には檀信徒の血縁者が納骨していることから、檀信徒の信仰と菩提寺と方広寺との結縁が強調されている。