【大型店の撤退】
駅周辺部における大型店の乱立と、それに伴う過当競争は、大型店の撤退や破産を引き起こしていった(表4―17参照)。平成三年二月、中心商店街のモール街で二十二年近く営業を続けてきた大手スーパー、ニチイ浜松店が閉店した(『新編史料編六』 五産業 史料35)。昭和四十四年九月の開業以来、衣料品、食料品、日用品などの量販店として順調に業績を伸ばし、ピーク時には三十六億円(昭和五十一年度)の年間売り上げがあった。しかし、浜松駅周辺への大型店の出店や郊外型大型店の進出の影響を受け、年間売り上げは大幅に減少してきた。さらに平成六年になると、クレジット販売の丸井が撤退した。丸井浜松店は昭和四十九年八月に出店し、比較的若年層に支持されていたものの、二十年間のテナント契約が切れること等を契機に閉店した。
表4-17 中心市街地における大型店の開店・閉店状況
昭和62年7月 | 浜松ショッピングプラザ(イトーヨーカ堂)開店 |
昭和63年5月 | メイワン開店 |
昭和63年9月 | 遠鉄百貨店開店 |
平成3年2月 | ニチイ浜松店閉店、撤退は3月 |
平成4年1月 | 長崎屋浜松店撤退 |
平成4年4月 | 松菱百貨店新館増築、本館改装 |
平成6年7月 | 丸井浜松店撤退 |
平成6年12月 | 遠鉄名店ビル閉店 |
平成9年12月 | 西武百貨店浜松店撤退 |
平成12年11月 | ザザシティ浜松西館オープン |
平成13年11月 | 松菱百貨店が自己破産により閉店 |