[農業バイオセンターとフルーツパークの開所]

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【浜松市農業バイオセンター】
 平成四年五月十二日、都田町の仮称浜松市フルーツパーク建設地に隣接して浜松市農業バイオセンターが開所した。敷地約六千六百平方メートルに鉄筋平屋建ての本館と試験栽培温室三棟、農作業施設が配置された。同センターはバイオテクノロジーを利用して優良苗や無病苗を育成し、農産物の高品質化を図る試験研究機関であり、同時に浜松地域で栽培農家が多い特産のサツマイモ・イチゴ・エシャレットの優良苗を開発し、それを各農協単位で増殖させ、農家へ供給するという役割も担った。将来は浜松の基幹作物である花き、果樹栽培にも応用し、農産物の生産性向上や高品質化を目指し、都市近郊農業発展の拠点として位置付けられた。
 
【浜松市フルーツパーク】
 また、果物をテーマにした国内最大規模の浜松市フルーツパークが、平成八年十月、都田町に開園した。フルーツパークは市とフラワー・フルーツパーク公社が十年の歳月をかけて計画から建設までを進めてきた果樹公園である。同公園はテクノポリス都田開発区北方のミカン畑四十三万平方メートルを切り開いたもので、東京ディズニーランドに匹敵する広さとなった。園内は農業振興ゾーンと市民サービスゾーンに分けられ、農業振興ゾーンには研究施設、果樹園、展示温室(栽培温室と低温室)などが建設され、市民サービスゾーンには芝生広場、遊具広場、トロピカルドーム、熱帯果樹温室、バーベキューハウスなどの施設が整備された。熱帯果樹温室にはバナナ、パパイアなどの熱帯果物が、農業振興ゾーンの果樹園にはカキ、モモ、ブドウなど二百十品種、五千五百本が植栽された。同公園は果樹農業の振興という目的とともに、市民が自然の中で憩い、さらに農業体験も出来る観光施設としての役割も担った。