[水産試験場浜名湖分場の新築とウォット]

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【静岡県水産試験場浜名湖分場 ウォット】
 静岡県における水産試験場の歴史は、明治三十七年(一九〇四)一月に浜名郡新居町に開設したのが始まりである。同年県会で安倍郡清水町(現在の静岡市清水区)に水産試験場漁労部の設置が議決されたことに伴って、明治三十八年には静岡県水産試験場養殖部と改称した。明治四十三年に新居町の養殖部は廃止されたが、昭和九年には浜名郡舞阪町の弁天島蓬莱園に静岡県水産試験場浜名湖分場として再スタートした。その後同四十年に弁天島乙女園に新築移転した。さらに三十五年後、庁舎や施設が老朽化し業務に支障をきたすようになったため、平成十二年には弁天島渚園に新築移転した。新分場は浜名湖の地域特性を活かした淡水から海水までの総合研究と細菌やウイルス研究を通じて魚病センターの機能を果たすことになった。さらに、「県民に開かれた研究機関」という理念から、同年八月に浜名湖体験学習施設・ウォットを併設した。「ウォット」という愛称は「ウォータースポット」と「魚(うお)」に掛けて名付けられた。この施設には、浜名湖の自然や歴史をハイビジョンと立体音響で紹介する映像ホール、都田川や浜名湖で生まれた魚介類を水槽で展示するアクアゾーン、ゲーム感覚で魚の生態などを学習できるパソコンコーナーなどが整備され、幼稚園、小学生の校外学習から大人の社会見学まで多くの人々が訪れる施設になっている(静岡県水産試験場浜名湖分場『はまな』第471・474号)。