【車両位置自動表示システム】
平成五年十二月、遠鉄タクシーは、GPSを利用したタクシーの車両位置自動表示システムを開発・導入した。このシステムは、百八十五台のタクシーを常にディスプレイ上の地図に表示させて、顧客に最も近い空車に無線で連絡、配車するもので、これにより待ち時間を大幅に短縮することに成功した。また、同年五月に導入されたタクシー呼び出しホットラインと相まって効果を上げ、利用客の減少に歯止めをかける役割を果たした。平成十四年十月にはコンピュータによる自動配車システムが導入された。
【福祉車両】
タクシー業界のサービスの多角化も進んだ。例えば、平成八年頃から車椅子のまま乗降できる特注の福祉車両の導入が開始され、同車両の増車、車両の小型化が図られた。このほか介護タクシー、自転車運搬サービス、おとどけタクシー等、利用者のニーズに合わせたサービスも行われるようになった。
規制緩和の波はタクシー業界にも押し寄せ、平成十四年二月、道路運送法が改正され、増車や異業種などからの参入が事実上自由になる一方、運行管理者の常駐が義務付けられた。これを前後して業界の再編やグループ内の営業所の統合等が進んだ。
平成十二年六月には浜松交通、浜松タクシー、富士タクシー、浜北タクシーの四社が顧客の相互融通などで提携し、スタータクシーグループを設立した。同年七月、遠鉄タクシーは同社と子会社である遠鉄観光タクシーの配車センターを統合した。さらに平成十四年七月には、遠鉄タクシーは遠鉄観光タクシーの合併に踏み切った。