[三遠南信自動車道の建設]

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【三遠南信自動車道】
 三遠南信自動車道は、長野県飯田市と静岡県引佐郡三ヶ日町を結ぶ約百キロメートルの自動車道として計画され昭和五十二年から調査を開始、同五十八年度から一部で事業に着手したが、昭和六十二年六月に高規格幹線道路に指定され、国の第四次全国総合開発計画に組み込まれた。これより先昭和六十年五月には、静岡、愛知、長野三県と関係市町村が三遠南信道路建設促進期成同盟会を結成し、この道路を高規格幹線道路網構想に組み入れることなどを関係機関へ陳情した。こうした流れを受けて、平成三年六月には遠州独自に三遠南信自動車道建設促進遠州地域期成同盟会を結成して、遠州地域のルート決定と建設促進を働き掛けた。そして、同年七月に国土庁は三遠南信地域整備計画調査を国土総合開発事業調整費の対象事業とした。
 建設省は、平成三年十二月に遠州側の磐田郡佐久間町から引佐郡引佐町までの三十キロメートル区間を基本計画路線に格上げし、平成四年度から地質調査を開始した。平成五年度には愛知県東栄町から引佐町(二十一キロメートル)の第二東名に至る三遠南信道路の一部である三遠道路の環境影響調査が開始された。また、同年夏には国土、通産、建設等五省庁により三十五の事業提案からなる三遠南信地域整備計画調査の結果が公表された。
 
【三遠道路の着工】
 平成六年三月に長野県側の矢筈トンネル関連区間(四・八キロメートル)が三遠南信自動車道の部分供用で初めて開通した。同年七月には静岡県側の草木トンネル関連区間(二・九キロメートル)が開通した。そして同年十二月には佐久間道路(磐田郡佐久間町―愛知県東栄町間約七十キロメートル)の事業化のための調査費が政府予算案に盛り込まれた。なお、同年十月には三遠南信自動車道のルートが一部区間を除いて確定した。しかし、愛知・静岡両県側の着工は遅れ、三遠道路の杭打ち式が行われたのは愛知県側(東栄町)は平成十一年一月、静岡県側(引佐町)は同二月であった。本格的な着工は平成十七年六月となった。また、平成十五年十月には愛知県新城市の鳳来インターの工事が開始された。

図4-31 三遠南信自動車道整備計画