【テレトピア】
浜松市は、平成四年九月三十日に郵政省の「テレトピア(未来型コミュニケーション・モデル都市)」構想の地域指定を受けた。テレトピア構想は、平成元年にスタートした「テレコムタウン(高度情報都市)」構想を構成する生活関連の情報通信の基盤整備で、街づくりと一体に進めるのが特徴であった。浜松の同基本計画は、生涯学習、行政、音楽文化等の各種情報の提供をニューメディアを活用して行うもので、具体的には各種証明書の発行や届け出、スポーツ・文化情報の提供、図書館の蔵書検索サービス、コミュニティFMやケーブルテレビなどの開局が盛り込まれた。なお、こうした情報化を推進する目的で、平成九年五月十四日には浜松市地域情報センターがオープンした。
【浜松ケーブルテレビ】
平成三年八月、浜松市のテレトピア指定、テレコムタウン構想の一翼を担って浜松地区都市型CATV事業である浜松ケーブルテレビ(平成五年「テレビはままつ」に名称変更)が設立された。同社は、浜松商工会議所を中心に九社が企画し、スズキ・静岡新聞・中日新聞・遠州鉄道が事業主体となって平成四年十二月に設立され、平成六年三月には静岡県と浜松市が資本参加して第三セクター化された。
同社は、平成七年四月一日、第一期エリアとして加入数千九百を対象に開局し、放送エリアを順次拡大した。平成九年十二月には加入数一万、平成十五年十一月には二万件を突破した。また、平成十六年には放送エリアを中東遠へ拡大した。
【FM Haro!】
平成四年度に郵政省がコミュニティ放送を制度化したのを受けて、平成六年三月に県内では初の浜松中心部から半径約七キロメートルを放送対象とするコミュニティFM放送の事業運営会社、浜松シティエフエム放送(平成七年三月、浜松エフエム放送に名称変更)が設立された。同社は、第一建材・庄田鉄工・ヤマハなど市内の約二十社の出資により設立され、同年四月二十八日に本免許を受けて、同年五月十五日に開局、愛称をFM Haro!とした。
同放送局は、浜松中心部十一万世帯に向けて、静岡新聞ニュースや地域の生活情報・交通情報等を提供した。平成八年八月には、生放送や災害時の情報伝達に無線機材を搭載した中継車を導入した。
【インターネット】
平成五年にインターネットが一般に利用できるようになり、平成七年になると浜松の一部の企業や大学でインターネットを使用するようになった。その後、プロバイダ(接続業者)の増加やサービスの高度化(ブロードバンドやADSL等)により利用者は急速に増加した。全国のインターネットの人口普及率は平成十五年末には六十・六%に達した。
こうした中、インターネットを企業活動や行政の市民サービスなどに利用したり、個人間はもちろん企業間や地域の情報ネットワークを構築したりする動きが盛んになり、それらは日常的な活動に欠かせないツールになっていった。