【分煙 禁煙】
平成の時代になって喫煙はもちろん、受動喫煙も健康に悪影響を及ぼすことが広く知られるようになった。これを受けて浜松市庁舎内で分煙化の試行が始まったのは平成十一年一月四日からであった。執務室は全面禁煙とし、会議中も原則禁煙、廊下など四十カ所に喫煙所を設けた。これでも受動喫煙が問題となり、二月からは大型の空気清浄器を設置し、職場に煙が流れていかないようにした(『静岡新聞』平成十一年二月三日付)。住吉二丁目の聖隷浜松病院は平成十四年六月から敷地内の全面禁煙に踏み切った。同病院は三年前から禁煙であったが、今回は玄関や散策スペースなども全て禁煙とし、屋外にあった唯一の喫煙所も撤去した。県内の大規模病院としては最初であった(『静岡新聞』平成十四年六月一日付)。
【受動喫煙防止】
また、市内の小中学校では喫煙室を設けるなど、分煙化がほとんど出来ていたが、平成十三年春から神立町の蒲小学校では敷地内の全面禁煙を実施していた(『静岡新聞』平成十四年六月一日付)。平成十五年になると、三月から三方原町の聖隷三方原病院で、四月から高林一丁目の浜松赤十字病院も全面禁煙となった(『静岡新聞』平成十五年三月九日付)。これは、同年五月一日から健康増進法で受動喫煙防止の条項が施行されることになったからである。この法律の施行により官公庁、学校、病院、百貨店、劇場など、多くの人たちが利用する施設では受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならないことになった。同年八月、「子どもをタバコから守れ」と、校長会の指示で浜松市立の全ての小中学校で敷地内の全面禁煙に踏み切った(『静岡新聞』平成十五年七月七日付)。このような市庁舎や学校、医療機関での禁煙の広がりを受けて、民間企業も含めて禁煙の空間がその後急速に広まっていった。