浜松市が平成十三年度に行った高齢者一般調査では、高齢者が活動している内容を見ると、趣味が四十三%、働くことが三十六%などと割合が高く、健康で多様な活動をしている高齢者が多いことがうかがえた。生きがいについても趣味が三十一%、働くことが二十二%であった。また、平成十三年度の健康はままつ21計画策定に係る調査研究では、高齢者の役割に対する考え方を見ると、「他人に頼らず自分自身で生活できるよう心がける」が八十一%と高い割合を占め、次いで「家庭内で家事の担い手となる」、「家族や親族の相談役やまとめ役となる」がそれぞれ三十二%、三十一%であり、高齢者は自立した生活を重視していることがうかがえた(『はままつ友愛の高齢者プラン』浜松市高齢者保健福祉計画 浜松市介護保険事業計画~安心していきいきと暮らすことのできるまち浜松~平成十五年三月)。
【浜松市老人福祉センター】
そこで、市は介護保険による介護サービスが必要ではない元気な高齢者から介護者同伴で介護が必要な高齢者まで利用できる浜松市老人福祉センターを、昭和四十六年以降市内各地に計画的に整備していった。和地町の湖東荘(昭和四十六年)、江之島町の江之島荘(同五十五年)、馬郡町の湖南荘(同六十年)、中郡町の竜西荘(同六十三年)に続き、平成三年には初生町に萩原荘が、翌年には増楽町に可美荘が開設された。さらに、平成十三年には板屋町にいたやが、同十五年には青屋町に青龍荘が開設され、これで市内には八つの施設が出来たことになり、六十歳以上の高齢者が健康の増進、教養、趣味の向上や交歓の場として利用するようになった。この老人福祉センターの利用状況は、平成元年度は十六万人ほどであったが、平成十六年度には約三倍の四十九万人ほどにまで増加した。高齢化が進んだものの介護保険制度を利用しなくてもよい元気な高齢者の増加がうかがえた。高齢者をできるだけ介護サービスを使わなくてもよい状況に保つことは、家族や行政にとっても重要なことであった。これが老人福祉センターの大きな役割でもあった。また、社会教育施設などによる生涯学習の推進、各種のスポーツ・レクリエーション事業なども幅広く行われるようになった。