[子供の遊び]

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【ゲーム 一人遊び】
 子供たちは放課後や休日には部活動や地域のスポーツクラブで活動したり、ピアノや習字、珠算などの習い事でなかなか外で友だちと遊べる機会が少なくなっていた。しかし、ファミコンやプレイステーションなどの家庭用ゲーム機(据え置き機)で好きなゲームに熱中していた子も多かった。平成になると、ゲームボーイやDSなどの携帯型小型ゲーム機が普及し始め、兄弟や友だちと家や戸外で遊ぶ時はもとより、移動中の車の中や旅先などでもこれから離れられなくなる子も多くなった。家庭でのゲーム機の遊びはもっぱら同級生であり、会話はゲームの内容についてがほとんどであったり、一緒にいても隣に座っているだけが多くなっていったりした。ゲーム機での一人遊びも多くなっていった。
 異年齢集団の遊びが持っていた年長者のリーダーシップや集団内での役割分担や遊びのルールの年少者への手加減、上下関係の中での甘え甘えられる関係など社会性を培う遊びが小学校中学年から高学年にかけて自然と出来ていたことが、ほぼ出来なくなった。大人数の兄弟がいる家庭でも異年齢遊びが出来ていたが、これも兄弟数が減ってきて難しくなってきていた。このように小学校時代の異年齢遊びが出来る集団が持っていた社会性を自然と学ぶ機会を根こそぎ奪っていく事態の発生が、学校生活での不適応、不登校の下地となっていった。