[ドクターヘリ導入促進事業]

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 他方、国はドクターヘリ導入促進事業を立ち上げ、平成十一年度と十二年度で岡山県内と神奈川県内の病院で実施していた。十三年度には六箇所分の予算を付けるというものであり、聖隷三方原病院がその一つに挙げられたのである。事業費は国が三分の二、都道府県が三分の一を負担するというものである。
 
【浜松救急医学研究会 聖隷三方原病院】
 平成十三年一月十四日付の『静岡新聞』には、浜松救急医学研究会が平成十一年度から研究実験してきた救急医療用ヘリコプターが、国のドクターヘリ導入促進事業の助成対象になったことを報じられている。 これを実現させる手続きとして、まず浜松救急医学研究会は臨時幹事会を開き、聖隷三方原病院を基地病院とする救命救急センターの指定を国から受けることを確認した。次いで、県救急医療対策協議会が開かれ、国と県の助成によるドクターヘリの運航事業として、聖隷三方原病院を救命救急センターに指定することを承認した(平成十三年六月二十一日付『静岡新聞』)。なお、聖隷三方原病院を指定するに際しては県医師会下の各病院長を説得しなければならなかった。この経緯は大久保忠訓の県医師会副会長時代を回顧する記事、歴代浜松医師会長等との座談会記事(『浜松医師会史』平成二十四年七月刊)に見える。
 このドクターヘリの運航範囲は県西部と中部の一部(焼津市・岡部町以西の四十一市町村)であり、消防機関の要請で出動するものである。
 
【ドクターヘリの正式運用】
 かくて平成十三年十月一日付けで国と県の助成によるドクターヘリの正式運用(県西部地区と中部地区の一部)開始があり、これを記念した祝典が平成十三年十一月二十一日に挙行されている(十一月二十二日付『中日新聞』)。

図4-35 正式運用を始めたドクターヘリ