[統廃合か経営移譲か]

1157 ~ 1157 / 1229ページ
 戦後の医療体制は高齢化社会の到来とともに、その疾病構造に大きな変化が表れている。他方、医療に関する知識・技術の進展は著しく、医療社会を取り巻く経済事情や医学教育の質の問題などが顕在化している。
 
【国立浜松病院】
 昭和六十一年一月、厚生省は国立病院と療養所の二百三十九施設の統廃合・経営移譲を含む再編成計画を発表している。その数のうちの三十四施設を地方自治体などに経営移譲することとし、国立浜松病院もこれに該当したのである(『広報はままつ』第一〇六四号、平成十一年十一月五日発行、「浜松市医師会史年表」『浜松市医師会史』所収)。
 この厚生省の計画は昭和六十一年度を初年度として今後十年間にそれらの去就を決定するというものである。この間の浜松市当局や医師会の動向について論評したのが『浜松情報』(平成五年四月一日発行、第二四九号)である。国立浜松病院の敷地面積は約一万七千坪、中に病院・職員寮(看護婦・職員)・看護学校があり、ベッド数は二百床。市民病院の役割は果たしてきたが、周辺医療施設の県西部浜松医療センターや聖隷浜松病院以上の設備や人員配置が行われておらず、活性化が期待されていたという評価である。