[エイズ認識]

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【エイズ】
 感染症新法の四類に属するエイズについては、『新編史料編六』 八医療 史料27に『広報はままつ』(平成五年八月二十日号)の啓蒙記事を転載している。この記事は聖隷浜松病院産婦人科部長鳥居裕一、浜松市立高校『礎新聞』、浜松市保健所保健相談課に基づくものであり、病院の母親教室や文部省モデル校としてのエイズ研究、また、保健所の日常業務を市民や市内在住の外国人へ告知することで、エイズという大きな社会問題に取り組む啓蒙運動の一端を示している。
 右の『広報はままつ』の記事には、日本で初めてのエイズ感染者は、血液製剤を通じて感染した人で(薬害エイズ禍)、以来、エイズに関してはプライバシー保護が最優先されたため、その実数把握が困難であるという指摘がある。とりわけエイズ感染者の母親からの胎児感染率は三十%という高さであり、特効薬やワクチン開発は二十世紀中には無理と言われていることから、今以上の感染者を出さないことが喫緊対策であるという。