版画

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【柳澤紀子】
 柳澤紀子は、昭和十五年(一九四〇)浜松市に生まれ、浜松市立高校を卒業後、東京藝術大学大学院を修了。大学院在学中に、作品「聖」で日本版画協会賞を受賞。昭和四十六年(一九七一)から四年間、ニューヨークにおいて美術活動。平成四年(一九九二)には文化庁特別派遣芸術家在外研修員としてロンドンに滞在。国内外の美術館や画廊において数多くの個展やグループ展を開催している。静岡県文化奨励賞、東京ステーションギャラリー賞、第10回山口源大賞などを受賞。作品としては、浜松市美術館、池田20世紀美術館、サンフランシスコ美術館など多くの美術館に収蔵されているもののほか、静岡県浜松総合庁舎エントランスホールのモザイク壁画、浜松市立高校生徒昇降口のモザイク壁画などがある。
 平成十六年、雑誌『そう 叢』季刊2004夏(発行所・春夏秋冬叢書)が柳澤の銅版画を取り上げており、堀切正人(静岡県立美術館学芸員)は、柳澤の作品には、もがれた翼や傷ついた体など痛々しいモチーフがよく登場すると指摘し、それらの様々な断片が「それぞれの時の重みを表わしながら、ひとつの作品の中に組み合わされて」いるとしている。平成二十五年二月~三月、浜松市美術館と公益財団法人平野美術館の二会場において「柳澤紀子展 転生の渚」が開催された。
 このほか、版画家として次のような人々がいる。
   刑部 達雄 …昭和七年生 静岡県版画協会会員 国画会会員
   熊谷 光夫 …昭和九年生 静岡県版画協会会員
   都築 倍弘 …昭和十八年生 静岡県版画協会会員 日本版画協会準会員