【木津文彦】
この時期における浜松市の音楽の街づくりの動きを見てゆく。まず浜松に在住し長年にわたり静岡大学教授として、音楽の教育および研究に努め浜松市にも大きく貢献した木津文彦を取り上げたい。以下の記述はパンフレット「静岡大学教授 木津文彦先生退官記念謝恩の集い」などに基づくものである。
木津は昭和三年(一九二八)生まれ。志太中学校(今の藤枝東高校)、静岡大学教育学部、東京藝術大学音楽学部で学び、昭和二十九年より静大教育学部浜松分校に勤務。以来三十八年間静岡大学で音楽教官として指導に当たり、平成四年三月定年退職。その間文部省在外研究員としてアメリカに出張したほか、私的にデンマーク・フランス・西ドイツほかを歴訪、研修と音楽交流に努めた。木津は県内の小中学校等の校歌百十五曲の作曲をはじめ、ふるさとに着想したわらべ歌・歌曲の作曲や県内各地に伝承している民謡などを素材にした新しい合唱曲づくりを手掛けた。浜松市との関係では、浜松市合唱連盟会長、浜松市児童音楽隊副隊長兼音楽監督、ミュージカルクワイア浜松音楽監督を務め、地域音楽文化の振興に大きく貢献している。