【音楽の街づくり】
平成三年(一九九一)は、浜松市が市制施行八十周年を迎えた記念すべき年である。この年、音楽の街づくりを進めていた浜松市は記念事業として壮大とも言える次の三つの音楽関連事業を計画した。
1 世界青少年音楽祭(平成三年七月二十六日~二十八日)
2 市民オペラ「カルメン」(平成三年八月二十五日)
3 浜松国際ピアノコンクール(平成三年十一月十四日~二十四日)
三つの事業は市民の協力を得て盛大に開かれ成功裡に終わった。以下、内容を具体的に記す。
【世界青少年音楽祭】
まず、世界青少年音楽祭である。開催されたのは七月二十六日から二十八日の三日間。この催しの主催者は浜松市と㈶浜松コンベンションビューローの二者で、事業の終了後、後者によって『浜松市制80周年記念 世界青少年音楽祭報告書』が作成されている。これには目的が次のように記されている。
世界青少年音楽祭は、音楽を愛する世界各国の青少年演奏団体を浜松に招き、音楽を通じて浜松市民及び青少年との連帯を深め、相互の交流により、友好親善を図るとともに、浜松市の音楽文化向上と音楽の街づくりの促進に寄与することを目的とする。
開催に向けて、名誉会長と顧問を含め十九名の委員より成る実行委員会が組織され、四月に第一回会合が開かれ準備が進められた。参加団体は十三団体で、音楽祭ではあったがほぼ合唱団のみの参加であった。国外九団体、浜松市関係四団体(浜松市立高等学校合唱団、浜松市児童音楽隊、信愛学園高等学校音楽科合唱団、浜松ライオネット合唱団)である。会場は、浜松市民会館とフォルテホールの二カ所。日程は次の通りである。
七月二十六日 オープニングセレモニー、ウェルカムパーティー、屋外イベント、市長歓迎レセプション
七月二十七日 合唱団交流会、世界青少年合唱セミナー、実行委員長主催夕食会
七月二十八日 リハーサル、世界青少年音楽祭コンサート、さよならパーティー
音楽祭は、団員のホームステイへの市民の協力などもあって成功裡に終了した。同音楽祭は、五年後の平成八年七月、アクトシティ浜松を会場に第二回が開催され、以後五年ごとの開催となっている。なお、名称は第二回から浜松世界青少年合唱祭に変更されている。