こうして始まったワルシャワとの音楽文化友好交流の実績として、まず挙げなければならないのは、浜松市における平成六年のアクトシティオープン記念事業としてのショパンフェスティバル'94である。これは、この年の十一月二十三日から二十七日まで五日間にわたって繰り広げられた。ポーランドからは国立のオーケストラやバレエ団、一流の指揮者や演奏家が浜松に集まり、国内からも著名な音楽家やタレントが多数参加した。五日間にわたる催しの内容は次の通りである。
十一月二十三日 第1部 日本ポーランド音楽交流セレモニー
第2部 国立ワルシャワフィルハーモニー管弦楽団演奏会
ショパントリオコンサート
十一月二十四日 国立ポーランドバレエシアター
十一月二十五日 国立ワルシャワフィルハーモニー管弦楽団演奏会
十一月二十六日 国立ワルシャワフィルハーモニー管弦楽団演奏会
クラシック・バラエティコンサート
大音楽浪漫「エレック・トリック・フレデリック・ショパン」
十一月二十七日 ショパンユースピアノフェスティバル
グランドフィナーレ
平成二年の調印時に合意されていたショパン像は、アクトシティの屋上公園に設置され、平成六年十月七日、アクトシティの落成式と同時に除幕式が執り行われた。式典にはワルシャワ市長夫妻も参列した。
図4-43 ショパンフェスティバル'94 パンフレット
【ワルシャワ・ジャパン・デー】
ワルシャワ市との交流として次に挙げるべきは、平成八年九月四日・五日にワルシャワで開催されたワルシャワ・ジャパン・デーへの浜松市文化団体の参加である。この催しはワルシャワ市が旧都クラクフから遷都四百年を記念して開いたもので、浜松市からの参加者は、市長のほか浜松市立高校の合唱部・吹奏楽部、浜松フォークダンス連盟、浜松三曲協会など百八十八名。会場はポーランド国立オペラ座。公演(九月四日・五日の二公演)は二部構成で、大統領夫人・ワルシャワ市長夫妻・日本国大使夫妻・ポーランド文化芸術相夫妻・著名芸術家などが来場して鑑賞した。二公演ともオペラ座は満席であった。
その後の両市の関係としては、平成二十二年八月十八日~二十三日に、協定締結二十周年を記念して、使節団としてジュニアクワイア浜松と浜松ライオネット児童合唱団がワルシャワ市を訪問し、音楽を通して現地市民との交流を果たしたことを記しておく。