[浜松国際ピアノアカデミー]

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【浜松国際ピアノアカデミー】
 浜松市楽器博物館の設立に続いて、浜松市が音楽の街づくりの一環として立ち上げた事業が、平成八年の浜松国際ピアノアカデミー(以下、アカデミー)の開催である。これは、浜松市のほか浜松国際ピアノコンクール組織委員会、㈶アクトシティ浜松運営財団が主催するもので、若手ピアニストの育成を目的にした世界各国の一流ピアニストの直接指導による短期集中セミナーであった。会場はアクトシティ浜松中ホールと音楽セミナー室。期間は平成八年三月二十日から二十九日の十日間。講師は、中村紘子(日本)、カールハインツ・ケマーリング(ドイツ)、アリエ・ヴァルディ(イスラエル)、ジャック・ルヴィエ(フランス)、ヴィクトル・リャードフ(ロシア)の五名で、中村は音楽監督をも兼ねた。いずれも国際的なコンクールの審査員、あるいは賞の受賞者であった。受講生は、公募審査で選ばれた三十人で浜松関係者が三人含まれていた。アカデミーに先立って三月十九日夜、アクトシティ浜松中ホールにおいてアカデミー開催を記念しての中村紘子ピアノリサイタルが開かれた。アカデミーの最終行事として模擬コンクールが開かれたのは三月二十八日(予選)、二十九日(本選)の二日間である。本選には十人が残り、一位と二位には第三回浜松国際ピアノコンクールのほか各国の国際コンクールへの推薦状を受ける資格が与えられた。中村紘子は講評の中で受講生のレベルの高さを称えた。
 アカデミーは、以後毎年開かれ(平成二十三年のみは東日本大震災により会期途中の三月十六日をもって中止された。)ているが、事業は平成十年に開校した浜松市アクトシティ音楽院の事業の一環として組み込まれている。