浜松で最も洋風な建物である。これがなんと1930年(昭和5)年に完成し、現在でも使用されている。
ロンバルジアバンド(イタリアで考えられた壁面のかざりつけ。壁面にリズミカルな効果を与える)つきの白い壁と、濃緑のスペイン瓦、半円アーチの窓とスペイン風の明るい建物である。建築当時、車寄せの上はバルコニーとなっていたが、戦時中の金属供出でわくが取り去られ現在は使用されていない。
外まわりは、蘇鉄やしゅろが植えられ、なにか地中海岸の建物を感じさせる。
玄関にはすばらしい色彩のタイル、壁面はこてで仕仕上げたような感じの仕上げ、そして美しいステンドグラス、内部の調度も昔のまま、階段の手すりの彫刻もこっており小ぶりながら浜松では第一級の建吻である。
中村が欧米旅行で得たものをフルに出した作品といえよう。