1927(昭和2)年旭町まで線路をのばした遠電は、昭和4年4月に本社駅ビルを起工、10月13日に完成した。
設計は郷土の中村、鉄筋コンクリート造り、地上3階、地下1階、総工費約7万円であった。
1階は旭町駅、2階は本社事務所であったがのちに偕楽亭が2・3階に登場する。洋式の大食堂、宴会場で豪華な内装であった。
人々はこの建物に遠電ビルという愛称をつけたが、建物と電車のホームとを巧みに調和させ、地方私鉄の駅ビルとしては画期的なものであった。
昭和20年6月の大空襲で内部はすべて焼失したが、建物は残った。
しかし、浜松駅周辺整備事業により、昭和56年に取りこわされた。