[序]

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 郷土史研究会が研究する分野は多岐にわたりますが、その中で石造物は主要なテーマです。その理由として石造物に刻んだ文字は保存性に優れ、また形状も損なわれません。換言すれば、石造物は歴史の証人でもあります。
 東広島市は旧石器時代から人類の営みが始められ、山陽道の交通の要衝として古墳時代から連綿として現代まで繁栄している土地です。
 即ち、石造物を調べ、これを遺すことは歴史を遺すことになります。
 本書はこのような観点から、本研究会が平成十九年から調査研究を進めて来た成果を発刊することとしました。
 石造物の範囲を広げ、信仰に関わるものから建造物、産業、日常生活品までを含めました。
 調査の段階からご指導を賜った松村昌彦氏にたいし厚く御礼を申し上げます。
 石造物を通じて東広島市の歴史・民俗を知り石造物を楽しんでいただければ幸いです。
      平成二十七年十月
              東広島郷土史研究会 石造物研究会
                         天野浩一郎 井東茂夫 菅野晃行 田坂次彦
                         船越雄治 光野三彦 吉村年一 六反穂輝清
(五十音順)

                   写真撮影 船越雄治 光野三彦