図63 年平均気温の経年変化(青森市:1890~1992)
(イ)青森における最近の昇温傾向は著しく、一九九〇年の年平均気温一一・七℃は、観測統計一〇〇年間で最高値である。二位は一九八九年の一〇・九℃。三位は一九九一年の一〇・八℃で高温年が続いている。要因としては、一九八九年以降の異常暖冬によることも大きい。
(ロ)十九世紀末から一九一三年までは低温期で、特に一九〇五年~一九一三年間の冷夏期間がこの低極期に位相が重なっている。
(ハ) 一九一四年に夏季気温が急昇温して、高温期が一九二五年まで続いた。
(ニ)その後、一九四五年を低極として、九・〇℃くらいを平均値とした昭和初期の低温期があった。
(ホ)その状態が変って一九四八年に急昇温し、そこから変動基準が上がり、九・五℃くらいを平均値としたほぼ横ばい傾向が続いた。
(ヘ)それが近年、一九八七年から一九九〇年にかけて、極端な高温による気候ジャンプがあって、青森で年平均気温が一一・〇℃を越え、過去に例のないこととなった。年平均気温で一℃を越える昇温は、青森の気候が、秋田、仙台、山形などに相応した気候となったことを示す。