*1 プレートテクトニクス…地球表層部の数kmから数十kmまでの深さのリソスフェアと呼ばれる部分は、十数個に分かれた剛体(プレート)から構成されている。複数のプレートが相互に水平に動くことによって、その境界部に生じる地震や火山活動などの構造運動をプレートテクトニクスという。
*2 シーケンス層序学…上下を不整合面または同時期に形成された整合面で境された一群の地層を堆積シーケンスと呼ぶ。シーケンス境界は、海水準のある低下時期と次の低下時期に対応するので、堆積シーケンス内の堆積環境の空間的な広がりが把握されると(堆積相解析)、地層群の発達過程が海水準変動と連動させて復元することができる。
*3 インバージョンテクトニクス…反転構造の一つ。特に構造地質学的分野では、ある断層が再活動することによって、断層の変位方向が反対になることを指す。例えば、ある時期を境に引張応力場から圧縮応力場に移ることによって、正断層に支配されて出来た堆積盆が、逆断層として変位することによって隆起し、堆積盆へ砕屑物を供給する場に転化する。
*4 年代層序区分…地層区分のうち、形成年代(ふつう化石により決める)に基づいて行なわれた区分。年代区分と年代層序区分とは、次のように対応する。代;界、紀;系、世;統、期;階。例えば、中生代;中生界、新第三紀;新第三系、更新世;更新統などである。
*5 岩相 (facies) …地質を総合的な諸性質によってとらえた特徴。地層は、その生成環境を反映して特徴的な粒度組成・色・鉱物組成・化石群組成・化学組成を示す。ある岩相によって特徴づけられる地層は、一般に水平的にまた垂直的にある広がりをもって他の岩相を持つ地層と接しながら分布する。
*6 引張テクトニクス…伸張テクトニクスともいう。ある地域が、構造的に引張応力場に支配されるために正断層構造が発達する状態を指す。
*7 圧縮テクトニクス…短縮テクトニクスともいう。ある地域が構造的に圧縮応力場に支配されることによって生じる逆断層や衝上断層構造の発達した状態を指す。
*8 背弧海盆…プレートの潜り込みによって形成された火山弧の内側、つまりプレートの潜り込む側と反対側に位置する海域(堆積盆)を指す。日本海がこれに相当し、引張応力により島弧部分のプレートが伸張、薄化することにより沈降し形成される。
*9 グリーンタフ地域 (Green Tuff region) …グリーンタフは、変質して緑色を呈する酸性~塩基性の火山岩類(溶岩や凝灰岩など)のことである。このグリーンタフ及びそれよりも上位の含油新第三系をも含めた新第三系の分布する地域を、グリーンタフ地域と総称する。オホーツク海沿岸及び石狩地域以西の西南北海道、本州弧内帯、九州-琉球弧内帯及びフォッサマグナ地域がこれに相当する。この地域の基盤は、古第三系を欠如することで共通し、また、鉱脈型、黒鉱型の非鉄金属鉱床を胚胎するなど、類似点が多い。
*10 阿仁合型植物化石群…秋田県阿仁合炭田の阿仁合夾炭層の植物化石群で代表される中新世前期の古植物群。温帯性落葉広葉樹を主体に針葉樹を混交し、また、水生植物をしばしば伴う。阿仁合型を示す植物群は四国を除き広く分布するが、特に東北地方が多い。地域差はあるが、一般に温~温冷気候が考えられる。
*11 台島型植物化石群…男鹿半島の台島層の植物化石で代表される中新世中期の古植物群。常緑・落葉・針葉の混交組成を示し、前二者が優勢。高温・多湿の海洋性気候に支配された暖~亜熱帯植物から成り、温帯広葉樹と少数の針葉樹を伴う。
*12 傾動地塊…地塊運動の際、断層に沿う回転運動により一方に傾いた地塊。地形的には、一方に急な断層崖を持ち、他方に緩やかな長い斜面を持つ。
*13 後カルデラ火口丘…陥没カルデラが形成された後に、再び噴火活動が起こり、カルデラの内部や縁、まれにカルデラの外縁部に形成される火山体。