1.青荷凝灰岩Ⅷ)(あおにぎょうかいがん)

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 Muraoka and Hase(1981)の命名による。本層は沖浦カルデラ*1の形成を担った火砕流堆積物で、地形的カルデラ内に分布する本層をカルデラ内青荷凝灰岩、地形的カルデラ外に分布する本層をカルデラ外青荷凝灰岩として扱っている。
 カルデラ内青荷凝灰岩は、黒石市浅瀬石川あせいしがわ支流の青荷川及び二庄内川沿いを模式地とし、地形的沖浦カルデラ内に分布する。岩相は、塊状のデイサイト*2軽石凝灰岩から成り、砂質凝灰岩・シルト質凝灰岩・珪藻土*3質凝灰岩などの細粒凝灰岩・礫岩・玄武岩溶岩を挟む。このほかに、毛無山周辺では青荷凝灰岩の唯一の溶結凝灰岩*4相として、厚さ4~20mの毛無山火砕岩*5が見られる。層厚は700~800m。
 カルデラ外青荷凝灰岩は、南津軽郡平賀町遠手沢沿いを模式地とし、駒ノ台周辺、唐牛(かろうじ)東方、手代森周辺、高館~花巻周辺、六萬平~嘉瀬沢周辺、唐竹周辺に分布する。岩相は、主に軽石凝灰岩・砂質凝灰岩・シルト*6岩の互層、もしくは軽石凝灰岩・砂岩・礫岩の互層から成る。層厚は40~200m。
 備考:カルデラ内青荷凝灰岩は、北村ほか(1972)の青荷層から石英安山岩溶岩を除いたものに相当する。カルデラ外青荷凝灰岩は、今泉(1949)の大釈迦層、井上・三橋(1961)の碇ヶ関層、岩井(1965)の竹館層の一部に相当する。