28.尻高沢層Ⅲ)(しりたかざわそう)

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 岩井(1965)の命名による。模式地は、西目屋村湯ノ沢上流より尻高沢一帯。藍内川・藤倉川・大沢川・横倉川などの流域に広く分布する。岩相は、変朽安山岩*39溶岩・同質集塊岩及び緑紫色安山岩質凝灰角礫岩を主とする火山岩から成る。変朽安山岩は、緑泥石化・曹長石化・珪化・赤鉄鉱化などの変質作用を強く受けている。自破砕溶岩*40相を経て石質の凝灰角礫岩相に移化する。また、安山岩溶岩には斜長石の巨斑晶を持つ斜長石ヒン岩が存在するが、貫入岩的産状は確認されていない。凝灰角礫岩の細粒化した部分には炭質頁岩を挟む。新第三系最下部を代表する地層で、先第三系を不整合に覆う。層厚は約100m。
 備考:金谷(1949)の藍内川層の下部、井上・酒井(1960)及び大沢(1962)の藤倉川層下部に相当する。