49.虹貝層(にじかいそう)

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 酒井(1958)の命名によるが、ここでは岩井(1965)の再定義による。模式地は、大鰐町虹貝川下流域。模式地のほかに、平川流域及び弘前市大舘山付近に分布する。岩相は、主に無層理の灰~灰白色石英安山岩質凝灰角礫岩から成る。凝灰角礫岩中の角礫は、主に松脂岩*30で、ほかに流紋岩、黒色シルト岩、安山岩の岩片も含まれる。建築石材として利用されており、「アブ石」などと呼ばれている。上部に硬質黒色頁岩や凝灰質頁岩、珪藻土岩を挟む。虹貝川支流の島田川付近や戸屋森付近に分布する流紋岩溶岩及び砂質凝灰岩は、本層下部の同時異相として島田川流紋岩部層として区分されている。同様に、阿闍羅山や大高森山などを構成する安山岩は、本層上部の同時異相と見なされ阿闍羅山安山岩部層として区分されている(岩井,1965)。層厚は約150m。
 備考:今泉(1949)の安保石及び股沢層の一部、酒井(1958)の虹貝層、井上・三橋(1961)の遠部層の一部に相当する。