〈用語の解説…第3節〉

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*1 火山フロント (Volcanic front) …弧状列島に沿う火山帯の海溝側の縁のことで、火山前線ともいう。

*2 放射年代測定…放射性炭素14Cによる年代測定。t年前の生物の遺体中の14C濃度は、t年間の14Cの壊変によって減少する。この14Cで濃度の減少を測定して年代を算出する。

*3 微化石層序学…有孔虫、コノドントなどの微化石を利用して地層を区分・対比する生層位学。

*4 古地磁気層序学…岩石の自然残留磁気を磁気化石として、先カンブリア時代から完新世までのデータ集積を行なって層序学として系統的に位置付けた学問。

*5 Ma…放射年代の表示の一種で1Maは1960年より百万年前のことを示す。

*6 海進…海水準の上昇あるいは陸地の沈降によって、海岸線が陸側に入り込んでいくこと、あるいは陸地が海の侵入を受けること。

*7 海退…海進に対応する用語で、海岸線が海側に後退し、陸側が拡大すること。

*8 湖盆…湖水におおわれた凹地。

*9 堆積盆…ある期間沈降の傾向が持続し、その間にかなりの厚さの地層が累積する区域。

*10 オーバーラップ…上位層の広がりが下位層に比べて広くなること。陸地の沈降あるいは海面の上昇による地層の形成に見られ、海進的被覆ともいう。

*11 ソレアイト…玄武岩の一種で、アルカリに乏しくFeO・CaOに富む溶岩台地・海嶺をはじめハワイなど火山島の主要構成物を成す。

*12 八尾-門ノ沢動物群…富山盆地の八尾累層及び岩手県北部の門ノ沢累層などの中新世中期の代表的な暖流系古動物群で、Vicarya、 Vicaryella など約200種の貝類から成る。

*13 島弧…弧状列島・列島弧ともいう。インドネシア・日本・千島・西インド諸島など、多くは大陸と大洋の境に位置し、大洋に向かって凸形をなし、いくつもの弧が繋がって花綵(はななす)状をなすので花綵(かさい)列島ともいう。大洋側にはそれと平行して必ず細長い海溝があり、列島上には活火山が並び、その下には深さ70km以上の深発地震がある。

*14 黒鉱鉱床…黒鉱を伴う鉱床。

*15 耶麻-塩原動物群…耶麻動物群は福島県耶麻郡地方の塩坪層の貝類化石群で代表される中新世後期の古動物群で、Cardium iwasiroense、 Serripes pauperculus、 Thracia hitosaoensis など冷水性、沖合細砂ないし泥底型を示す。東北地方脊梁山地沿いに南北に広く分布する。これに対し、塩原型動物群は当時の沿岸性の Dosinia kaneharai、 Cardium shiobarens などによって特徴づけられる古動物群である。

*16 中央構造線…西南日本の内帯と外帯を分ける構造線で、赤石山地西縁から南下し、紀伊半島北部・四国北部を経て中九州に達する。

*17 海水準変動…海面の陸地に対する相対的昇降のことで、ふつう第四紀氷河時代における海水量の増減による海水面の昇降をいう。氷期には海水中の水分が高緯度地帯に氷となって固定されるために海水量が減り海水準が低下する。間氷期には氷が海水に還元され、海水準が上昇する。

*18 後氷期海進…後氷期に入って気候が温暖化すると、ウルム氷期最盛期(約2万年前)の後、上昇傾向にあった海面がさらに高まり、世界各地の海岸低地に海が氾濫した。縄文海進ともいい、海進の最盛期は9,000~6,000年前と推定される。


表4 東北日本(含北海道西部)の地史年表(鹿野ほか編,1991)
*σHmax (水平圧縮主応力の方向は、島孤方向との関係で示す。)


図4 N1b(18-15Ma)の古地理図
海岸線と海流は16Ma当時のもので代表させてある。
(鹿野ほか編,1991)


図5 N2a(15-12Ma)の古地理図
海岸線と海流は13Ma当時のもので代表させてある。
(鹿野ほか編,1991)


図6 N2b(12-7Ma)の古地理図
海岸線と海流は10Ma当時のもので代表させてある。
(鹿野ほか編,1991)


図7 N3a(7-3Ma)の古地理図
海岸線と海流は4.5Ma当時のもので代表させてある。
(鹿野ほか編,1991)


図8 N3b(3-1.7Ma)の古地理図
海岸線と海流は2.5Ma当時のもので代表させてある。
(鹿野ほか編,1991)


図9 Q1(1.7-0.7Ma)のうち1Maの古地理図
(鹿野ほか編,1991)