6.縄文時代の工芸

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 縄文時代の工芸として考えられるものには、石や粘土等を加工して作り上げた石製品・土製品なども含まれるであろうが、本項では主に木や草などの植物を原材として製作され、今日まで遺存している品々について述べてみたい。
 縄文人によって加工が施された植物製品には、今日の我々の日常生活における木製品の種類等から推定すると、実にさまざまな品々が考え出されよう。しかし、遺物として我々の目に触れることのできるものは、彼らの生活用品の一部に過ぎないのではないかと思われる。それは、材質の持つ腐食し土に化しやすいという特質によって、遺存し難い事情によるのであろう。