(3)6世紀代

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 この時期の遺跡は極めて少なく、古墳文化の土師器を出土する七戸町大沢遺跡や、続縄文文化の北大Ⅲ式の大間町大間貝塚などがある。このほか、共伴する土器が明らかでないため、時期認定に難があり、5世紀代に入る可能性もあるが、石製模造品を出土する遺跡が4遺跡ある。石製模造品は、散発的であるが古くから知られており、古墳文化の特徴的な精神文化遺物として注目されていた。平成5年(1993)には下田町中野平遺跡でまとまった資料が出土している。
 5世紀代同様、この時期も北海道系遺物が相対的に少ない。大沢遺跡の坏・甕は住社式前半段階併行期(6世紀前半)のもので、甕は重量感に富み在地生産をうかがわせる。

図6 青森県内の石製模造品