7世紀前半の遺跡は、津軽地方では発見されていない。県域全体でも、現在のところ太平洋岸に数例見られるにすぎない。土師器の器種は、坏・長胴甕・球胴甕・壺で構成される。高坏・甑の存在はまだ不明である。
7世紀の後半になると、遺跡数は急激に増加する。器種は、坏・高坏・長胴甕・球胴甕・壺・甑で構成され、まれに筒形土師器も存在する。坏は段や稜の明瞭なものと、全く持たないものがあるが、いずれも丸底で大きく内湾するものが多い。甕の形態や調整技法は前代と大きな変化はないが、口縁部に、1~2条の浅い沈線や段状の沈線が施されるものが見られる。この時期も、各器種とも磨き調整が主体的な調整技法である。また、須恵器は末期古墳では一定量見られるが、集落内ではまれに存在する。