-中世Ⅰ期(12世紀代)-

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 12世紀前半代の様相は若干不明な点が多いが、12世紀中~後葉では津軽地方においてもいくつかの遺跡が確認されている。
 中崎館遺跡・内真部遺跡・蓬田大館遺跡・浪岡城内館跡・独狐遺跡・十三湊遺跡等であり、そのほとんどは津軽地方に集中する。
 このうち、中崎館・内真部・蓬田大館・浪岡城内館・矢立廃寺においては、大小2種類で、2技法をもった在地及び京都系かわらけ、須恵器系及び瓷器(しき)系国産陶器、青磁・白磁等の輸入磁器などが組み合わさる
 かわらけは、ロクロ使用で口径が8cm前後の小型のもの、同じく13cm前後の大型のもの、非ロクロ製で口径が8cm前後の小型のもの、同じく13cm前後の大型のものに大別される。前者が「在地系」、後者が「京都系」と称される土師質の土器である。

図50 12世紀の土師器(かわらけ)


図51 津軽地方の擦文土器(1)


図52 津軽地方の擦文土器(2)


図53 津軽地方の擦文土器(3)


図54 津軽地方の擦文土器(4)


図55 津軽地方の擦文土器(5)


図56 本州の擦文土器分布図