目次
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新編弘前市史 資料編1(考古編)
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第4章 中世・近世
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第5節 陶磁器類
1.12世紀の様相
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青森県内に搬入された陶磁器の中で、明確に11世紀代と考えられるものは認められず、少なくとも12世紀代と想定される製品に、蓬田大館遺跡・高館遺跡・浪岡城内館・中崎館遺跡・伝山王坊の出土品があり、蓬田大館遺跡では中国製の青磁・白磁碗と渥美と推定される甕及びかわらけ、高館遺跡では中国製白磁小皿、浪岡城内館では中国製白磁四耳壺・合子・碗と須恵器系甕・常滑渥美系甕及びかわらけ、中崎館遺跡では中国製青磁劃花文碗・白磁碗・珠洲壺・甕・鉢及びかわらけ(カラー図1~4)、伝山王坊では東海系四耳壺(図5-1)がある。また外ケ浜に位置する内真部遺跡からも同時代の陶磁器が出土しているが、未報告であるため詳細は後日を期したい。この時期は、安倍・清原氏と平泉藤原氏(間接的には京都の影響)の影響とともに、北陸地方からの影響も見逃すことはできない。
カラー図1 中崎館遺跡出土陶磁器(1) 1~6青磁(表裏)
カラー図2 中崎館遺跡出土陶磁器(2) 1~10白磁(表裏)
カラー図3 中崎館遺跡出土陶磁器(3) 1~6珠洲鉢、7~9珠洲壺
カラー図4 中崎館遺跡出土かわらけ(表裏)
図5 陶磁器写真・実測図(1)
1市浦村出土四耳壺(市浦村歴史民俗資料館蔵)