4.黄金山遺跡

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(遺跡番号 02006)(図4)
(1)所在地 弘前市大字鬼沢字猿沢236、238、5-90
(2)遺跡の立地
 岩木山麓を取り巻く小丘陵の一部、黄金山(168.3m)の西側緩斜面にあり、標高約110mないし120mを測る。
(3)調査の経緯
 岩木山麓原野の開発に伴う緊急調査を尾上山遺跡で実施中に参加していた作業員より知らせを受け、尾上山遺跡と並行の状態で、昭和35年(1960)6月9日から7月4日にかけ、弘前市教育委員会が発掘調査を行った。
(4)遺構・遺物の概要
 調査地域が広大のため、遺跡はⅠ号・Ⅱ号・Ⅲ号の3遺跡に分けられている。Ⅰ号・Ⅱ号遺跡ともに遺構の発見はない。発見された遺物はすべて土器であり、Ⅰ号遺跡から縄文時代後期初頭の深鉢形土器並びに破片が、Ⅱ号遺跡からは縄文時代前期の円筒下層b式及び同d1式土器破片が出土している。なお、Ⅰ号遺跡出土の深鉢形土器に対し、調査を担当した渡辺兼庸は黄金山式なる形式名を設定し、関東地方の堀之内Ⅰ式土器と並行する考えを示している。
※参考文献 渡辺兼庸「黄金山遺跡」(岩木山-岩木山麓古代遺跡発掘調査報告書)弘前市教育委員会 1966年3月

図4 黄金山遺跡出土土器