三 大浦城「縄張り」の復元

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 先に述べたように、現在の大浦城跡は破壊が進んでおり、そのままでは旧状復元は難しい。そのため次の諸資料を現状と合わせ用い、縄張り図の作成を行った。
 (1)分限図(明治期のもの)
  ア、岩木村大字五代字早稲田(明治二十六年十二月十一日調製)
  イ、大浦村大字賀田字大浦(明治十八年二月調製)

図19 大浦城跡の分限図

 (2)縄張り図及び古絵図
  ア、中村良之進の実測図(明治三十五年作成、小友叔雄『津軽封内城趾考』所収)
  イ、沼舘愛三作成の見取図(『津軽諸城の研究』昭和五十二年刊)

図18 大浦城跡の古絵図

 (3)航空写真(昭和四十年代のもの、弘前市役所蔵)
 (4)その他 地図・地元住民からの聞き取り
 基本となる資料は(1)ア及び(2)アで、現状では失われ確認できない土塁・堀跡や曲輪の位置や形が復元できる。また(3)の航空写真からは、中学校校舎・バイパス建設以前の城跡の状況を知ることができる。資料(1)イは、大浦城の東、賀田地区にあったという「城下町」を復元する手がかりとなる。