〈凡例〉

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(1) 津軽地方の板碑を内陸部と海岸線に分けて列挙した。内陸部については、弘前市内の板碑を第一に挙げ、次いで平川中流域の町村、岩木山東麓岩木町、平川・浅瀬石川合流点の下流藤崎町の順で南から記載した。海岸線は深浦町から北上し、青森市を最後に掲載した。所在地は、原則として平成六年三月十日現在で記した。
(2) 弘前市内は、平川流域から旧弘前市内、岩木川上流域、岩木山東麓部から岩木川・平川合流点、岩木山東北麓の順に記載した。
(3) 「所在地」は、原則として小字名までとし、目標となる寺社・宅地・園地・俗称なども付記した。○の中に記した中・南・西・北は郡名である。
(4) 「西暦」は、板碑に年号が刻まれている場合、または推定可能な場合のみ記載した。
(5) 「種子(しゅじ)」は、判読できる場合だけ記載した。また、存在する可能性がある場合にはその旨を記載した。
(6) 「月輪(円相)」「天蓋」「蓮座」「香炉」「花瓶」等は「備考欄」に存在を記述するにとどめた。ただし、「月輪」は種子の欄にも様式を示した。
(7) 「郭線」は刻まれているものを「備考欄」に記載した。
(8) 刻まれている文字は、『青森県の板碑』(青森県立郷土館)の成果を基とし、若干の補足を行った。改定の際、福井敏隆氏の協力を得た部分がある。なお、補足は拓本による調査のほか『陸奥古碑集』(中村良之進・昭和二年〈一九二七〉刊)によるところが大きかった。
(9) 板碑に欠損・切断・剥離がある場合―‐―‐―線を、埋没している際には……を銘文の中に記載した。
(10) 「高・幅・厚」欄の数字は左から高さ、幅、厚さの順で示した。単位はセンチメートルである。
(11) 「石質」は、山口義伸、鎌田耕太郎両氏に確認を依頼し、修正した板碑もある。
(12) 「備考欄」に「撞鐘古碑」とあるものは、享和二年(一八〇二)調査の『撞鐘古碑調之覚』に記録されている板碑である。陸は、『陸奥古碑集』の略で、下の地名・番号は同書に記載されている板碑である。なお、「豊田村」など当時の町村名は省略し、番号は算用数字に改めた。県は『青森県の板碑』の略で下の数字は同書の板碑の番号である。
(13) 文字の判読できない部分や不確実な場合は  ・□で示した。碑面に文字を補った場合、推定の状況により「カ」を付した。『陸奥古碑集』によった時は原則として〓で文字または全体を囲んだ。
(14) 中世史料の少ない津軽地方にあって、板碑に刻まれた文字は貴重な財産である。弘前市に限定せず確認できた津軽地方の板碑すべてを記載した。