―例言―

一、本編では、天正十七年(一五八九)からおおむね十八世紀中葉にいたるまで、主として近世津軽領の政治・経済・文化など、領内全般にわたる各歴史事象を記録した史資料を編纂・収録した。なお、詳細については各章の解説を参照されたい。

一、誤字・誤記・脱字に対する注記など編者の傍注の文字は、本文の右側に〔 〕に挟んで示した。また、文意が通じないもの、明らかな誤字・脱字と断定できないものなどは、原文のまま記し、同じく(ママ)と付した。

一、虫喰・汚損・破損などのため判読しがたい部分、あるいは解読し得ない文字については、その文字数に応じて□を、字数の推定できない場合には  をもって示した。

一、漢字は、原則として常用漢字のあるものはこれを使用した。ただし、人名・地名などの固有名詞に使用されている漢字は、史料表記のままとした。また、人名・地名等で頻出するものについては常用体に統一した。

一、読者の便宜を図るため読点、並立点を適宜付した。また、闕字・擡頭・平出については通常の文体に改めた。

一、変体仮名及び合字(平仮名・片仮名とも)は通常の仮名に改めた。

一、充/rb>行状の表記については、「充」「宛」が混用して使われているが、本編では「充」をとった。

一、掲載した史料の所蔵先・出典・典拠などについては、標題の下などの(  )の中に示した。また、弘前市立図書館津軽家文書の「弘前藩庁日記」については、国元の日記を「国日記」、江戸藩邸のものを「江戸日記」と表記した。また、同館所蔵史料のうち「津軽編覧日記」は八木橋文庫本を、「御用格」は津軽家文書を、「封内事実秘苑」は一般郷土資料本をそれぞれ底本として使用した。

一、頻出する所蔵先については、次の略号を持って示した。

弘図古=弘前市立図書館津軽古図書保存会文庫
弘図津=弘前市立図書館津軽家文書
弘図岩=弘前市立図書館岩見文庫
弘図八=弘前市立図書館八木橋文庫
弘図郷=弘前市立図書館一般郷土資料
国史津=国立国文学研究資料館史料館津軽家文書

一、『津軽一統志』は、東京国立博物館所蔵本を使用した。

一、第一章編年史料の凡例等については、第一章の解説を参照されたい。

一、本編の執筆分担は次のとおりである。なお、全般にわたって長谷川成一が補完・校閲した。

第一章 長谷川成一
第二章 第一節 長谷川成一・和泉清司・篠村正雄/第二節~第五節 和泉清司・長谷川成一/第六節 長谷川成一・小島康敬
第三章 第一節 瀧本壽史・長谷川成一/第二節 小島康敬/第三節 黒瀧十二郎
第四章 長谷川成一・和泉清司
第五章 第一節 長谷川成一・黒瀧十二郎/第二節 瀧本壽史・和泉清司