-例言-

一、本編では、おおむね十八世紀中葉から明治四年(一八七一)の廃藩置県にいたるまでの期間を対象に、政治・経済・社会・学芸など領内全域にわたる歴史事象を記録した史資料を収録した。なお、詳細については各章の解説を参照されたい。

一、誤字・誤記に対する注記など編者の傍注の文字は、本文の右側に〔 〕に挟んで示した。また、文意が通じないもの、明らかな誤字・脱字と断定できないものなどは原文のまま記し、同じく(ママ)と付した。

一、虫喰・汚損・破損などのため判読しがたい部分、あるいは解読し得ない文字については、その文字数に応じて□を、字数の推定できない場合には   をもって示し、(虫喰)(汚損)(破損)などと傍注した。

  また、通常の文体と異なるものについては、「 」をもって示し、(表紙)(頭注)(貼紙)などと傍注した。

一、漢字は、原則として常用漢字のあるものはこれを使用した。ただし、人名・地名などの固有名詞に使用されている漢字は、史料表記のままとした。また、人名・地名等で頻出するものについては、常用体に統一した。

一、読者の便宜を図るため、読点・並列点を適宜付した。また、闕字・擡頭・平出については通常の文体に改めた。

一、変体仮名及び合字(平仮名・片仮名とも)は通常の仮名に改めた。

一、原史料中の漢字・用語で、おおむね次の語は当時の語用として特に改めることはせず、必要と思われる場合には傍注を付した。( )内が現在の用字である。

 …之義(儀)、小性(姓)、百性(姓)、悴(倅)、本陳(陣)、直(値)段、留主(守)、差(指)図、

一、各史料には一連番号と標題を付し、続いて年月を示して、所蔵先・出典・典拠などについては、( )の中に示した。また、弘前市立図書館蔵津軽家文書の「弘前藩庁日記」については、国元の日記を「国日記」、江戸藩邸のものを「江戸日記」と表記した。また、同館所蔵史料のうち「津軽徧覧日記」・「弘前藩記事」は八木橋文庫本を、「御用格」は津軽家文書を、「封内事実秘苑」は一般郷土資料本をそれぞれ底本として使用し、所蔵先は特に明記しなかった。

一、頻出する所蔵先については、次の略号をもって示した。

弘図古=弘前市立図書館津軽古書保存会文庫/弘図津=弘前市立図書館津軽家文書/弘図岩=弘前市立図書館岩見文庫/弘図八=弘前市立図書館八木橋文庫/弘図郷=弘前市立図書館一般郷土資料/国史津=国立国文学研究資料館史料館津軽家文書/維史稿=東京大学史料編纂所大日本維新史料稿本

一、本編の執筆分担は次のとおりである。なお、全般にわたって長谷川成一が補完・校閲した。

第六章 第一節 瀧本壽史              第二節 瀧本壽史
    第三節 瀧本壽史・長谷川成一・坂本壽夫   第四節 長谷川成一・黒瀧十二郎・篠村正雄・瀧本壽史
第七章 第一節 黒瀧十二郎・高島成侑・長谷川成一  第二節 黒瀧十二郎・瀧本壽史・高島成侑
    第三節 黒瀧十二郎・高島成侑        第四節 黒瀧十二郎・成田敏
    第五節 小島康敬・長谷川成一・黒瀧十二郎
第八章 第一節 篠村正雄              第二節 篠村正雄
    第三節 篠村正雄              第四節 高島成侑
    第五節 篠村正雄・黒瀧十二郎        第六節 黒瀧十二郎
第九章 第一節 坂本壽夫・田中秀和・黒瀧十二郎   第二節 坂本壽夫
    第三節 坂本壽夫