目次
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新編弘前市史 資料編3(近世編2)
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第8章 藩政期の宗教と信仰
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第四節 寺社建築
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二 神社建築
●熊野宮 本殿 樋の口町--県重宝
1353 ~ 1353 / 1627ページ
熊野宮の創建は不明であるが、かつては「熊野三所飛龍大権現」といい、俗に「袋の宮」と称されていた。門外村(弘前市門外)の新宮と先に挙げた八幡村(弘前市田町)の本宮・熊野奥照神社とともに、熊野三所権現を模したものとされ、ここは那智宮に相当するものとして造営されたのである。慶長二十年(一六一五)という棟札も備えている。
三間社流造で、向拝は一間であるが頭貫型虹梁は無く、象鼻と挿肘木とで連三斗を受ける形であり、柱の面取も大きいのが特徴である。
素朴な造りながら古い形式をよく止めており、県内の神社建築を見る上で、欠かすことのできない貴重な遺構である。
図22 熊野宮本殿平面図