目次
/
新編弘前市史 資料編3(近世編2)
/
第8章 藩政期の宗教と信仰
/
第四節 寺社建築
/
二 神社建築
●厳鬼山神社 本殿 十腰内字猿沢--県重宝
1361 ~ 1361 / 1627ページ
棟札に「……十一面観世音精舎一宇……」と記されているように、かつては観音堂であったものであり、近世津軽の三間仏堂が、神社本殿となる典型的なものである。建立されたのは、棟札によると、元禄四年(一六九一)のことであった。
粽付きの円柱を立て、台輪を廻し、拳鼻付き平三斗で軒桁を受け、一軒の疎垂木を配している。内部は二室に分けられていて、外陣は畳敷きであり内陣は板敷きで、天井は通しの棹縁天井である。
厨子は、軒から上は新しいのであるが、基本的にはかなり古そうなものであり、部分的に極彩色の痕跡も認められた。
本殿および厨子ともに、構造形式や細部の様式などは、この時代の特徴をよく表している優れた建造物である。
図29 厳鬼山神社本殿平面図